開店祝いパニック!南区の小さな理容院で起きた、忘れられない珍事件

バブルの勢いに背中を押され、店主が理容院を開いたのは、ある晴れた日のことだった。新品の鏡、ピカピカの椅子、そして店主の鋭い目つき。準備は万端のはずだった。しかし、開店初日から店主は思い知ることになる。理容院を開くというのは、髪を切るだけでは済まないのだと。(このお話しはフィクションで、登場する場所・人物ともに関係はありません ^^)

事件その1:開店祝いの花が多すぎる

開店の朝、店主が店に向かうと、入口に大きな花が一つ置いてあった。

「おお、ありがたいのう」

と喜んでいたら、次の瞬間――

さらに二つ届く。

その後も三つ、四つ、五つ……。

最終的に、店の前は花で埋まり、

理容院がどこにあるのか見えなくなるという事態に。

通りがかったおばちゃんが言った。

「ここ、花屋さんになったんかね?」

店主は慌てて花を横に寄せたが、寄せた先も花だらけ。

開店早々、店主は汗だくになった。

事件その2:謎の巨大な開店祝いが届く

昼過ぎ、さらに奇妙な贈り物が届いた。

大きな木箱。

差出人は書かれていない。

店主は恐る恐る開けた。

中には――

巨大な木彫りのフクロウ。

高さ80cm。

目がギラギラしている。

「なんでフクロウなんじゃ……?」

店主は困惑したが、せっかくの贈り物なので店の奥に置いた。

しかし、鏡に映るフクロウの目が妙にリアルで、

お客さんが入るたびにビクッとする。

ある常連候補の男性は、フクロウを見て一言。

「すみません、今日はやめときます」

店主は頭を抱えた。

事件その3:開店祝いのお酒が予想外の展開に

夕方、友人たちが開店祝いにと日本酒を持ってきた。

店主は嬉しくて、つい店の奥で一杯だけ飲んでしまった。

そこへ、初めてのお客さんが来店。

店主は慌てて立ち上がり、

「いらっしゃいま……す!」

と対応したが、ほんのり酒の香りが漂う。

お客さんは店主の鋭い目つきと酒の匂いを感じ取り、

「……今日は混んでるみたいですね。また来ます」

と帰ってしまった。

店主はその日、心に誓った。

「もう開店中は絶対飲まん」

事件その4:開店祝いののぼりが強風で大暴れ

夕方、別の友人が「景気づけじゃ!」と、

大きなのぼりを店の前に立ててくれた。

しかしその日は風が強かった。

のぼりはバサバサと暴れ、

店主の顔にバシッ!

通りがかったおばちゃんの買い物袋にバサッ!

自転車のハンドルに絡まり、ガシャーン!

店主はのぼりを押さえながら叫んだ。

「やめんかい!わしの店を荒らすな!」

のぼりは風に揺れながら、まるで反省していないように見えた。

そして夜、店主は静かに思った

花に埋もれ、フクロウに見つめられ、

酒の匂いを漂わせ、のぼりに振り回された開店初日。

店主は店の椅子に座り、ため息をついた。

「わし……ほんまに理容院やっていけるんかのう」

しかし、鏡に映る自分の顔は、どこか楽しそうだった。

「まあええ。明日からが本番じゃ」

その日から何十年も経った今も、

店主はあの日のドタバタを笑い話にして語る。

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