南区の小さな理容院で起きた謎のハイテク事件

ある日の午後。南区の理容院は、いつものようにゆったりとした空気が流れていた。店主はヨレヨレタオルを畳みながら、「今日は風が強いのう」とつぶやいていた。そこへ、常連の短髪男が店の前を通りかかった。

理容院の店主を案じる常連さん

(そういえば、ブログのこと、店主さん、読んだんじゃろうか)

ガラケーしか持っていない店主が、

どうやってブログを見るのかは謎だが、

気になって仕方がない。

店主、なぜか上機嫌

店に入ると、店主が珍しくニヤニヤしていた。

「おう、来たんか」

その顔が、いつもよりほんの少しだけ柔らかい。

短髪男は思った。

(これは、何かあったな)

店主はタオルを肩にかけながら言った。

「なんかのう、最近、うちの店のことを知っとる人が増えた気がするんよ」

短髪男はドキッとした。

(まさか、あの空想で書いたホームページの小話しの効果!?)

店主、謎の情報源を明かす

短髪男は恐る恐る、聞いた。

「店主さん。ホームページ、ご自分で見られました?」

店主は首をかしげた。

「ホームページ?なんのことじゃ」

(あれ?見てない?)

しかし、店主は続けた。

「でもの、昨日来た兄ちゃんが言うとったんよ。

あのホームページ、店主さんのことよう書いとるって」

短髪男は固まった。

(誰だ?その兄ちゃんって!)

店主はさらに言った。

「わしはガラケーじゃけえ見れんけどの。

なんか知らんけど、ええこと書いてあるらしいのう」

その言い方が妙に誇らしげだった。

店主、ブログを想像で読む

店主は、椅子の上の洗濯物を整えながら言った。

「たぶんの、わしがイケメンに写っとるんじゃろ」

短髪男は吹き出しそうになった。

「写真、載せてないですよ」

店主は一瞬固まった。

「なんで載せんのん?」

「いや、店主さん、写真は嫌がるかなと思って」

店主は腕を組んで考え込んだ。

「ふむ。まあ、わしは実物のほうがええけえの」

短髪男は心の中でつぶやいた。

(いや、写真でも実物でも、店主さんは店主さんです)

そして、店主の謎の結論

店主は、バリカンを片付けながら言った。

「まあ、ええわい。

ホームページがあるんじゃったら、

そのうち誰かがわしに読ませてくれるじゃろ」

短髪男は思わず笑ってしまった。

(たぶん、誰も読ませてくれないと思うけど)

しかし店主は満足そうだった。

「わしはガラケーで十分じゃ。

あんたが好きにしとるなら、それでええ」

その言葉は、

いつもの「ええよ、ええよ」よりも、

少しだけ温かかった。

そして店主は今も言う

「ホームページ?わしは中身、読んどらんけど、

なんか知らんけど、ええらしいのう」

南区の小さな理容院には、

今日もそんな、読んだのか読んでないのかよくわからない奇跡が

静かに積み重なっている。

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